ビジネスモデルの再構想

そのビジネスモデルに進化の余地は?

Jacqui Griffiths
7 July 2020

ビジネスモデルを新たに構築することは、学習、イノベーション、再創造、イテレーション(繰り返し試みること)の終わりなき旅のようなものです。成功の鍵を握る6つのステップを紹介します。

ソーシャル・リスニング

新たな機会を見つける第一歩は、市場の要望やニーズを知ることです。大手企業はソーシャル・リスニングを使って、人々がソーシャルメディアに投稿する内容を追跡し、そこからトレンドを発見することで、自社の新たなビジネスモデルの選択、資金拠出、ガバナンスに携わる人々への知見の提供をしています。

オンラインでブランドを話題にしている人の96%は、そのブランドの公式アカウントをフォローしていません。
出所:Brandwatch社

チームビルディングと権限付与

企業が新しいビジネスモデルを軌道に乗せるには、それを発展させるスキルを持った従業員、パートナー、コンサルタント、その他外部の情報源となる人を見つけて、彼らが協力できるようにする必要があります。セキュアなオンライン連携のゲートウェイは、ユーザーが知識やアイデアを交換したり、データや意見を収集したり、ビジネスモデルが構想から実現に向けた進捗を追跡することを可能にします。

「共通の環境があり、データ参照が一元化されていて、その一元的な情報ソースにプロジェクトの全関係者が世界のどこからでもアクセスできることが、すべての出発点です。このことが当社の研究開発の生産性を上げ、グローバルな人材を結びつけることに役立っています」
CLAAS Group テクノロジー&システム責任者 Thomas Böck氏

イノベーション

新たなビジネスモデルを見出し、実現するイノベーションの多くは、機械、電気、エレクトロニクス、ソフトウェアなど各部門の領域横断的な交流から生まれます。すべての作業を一貫したデジタルスレッドとして把握し、組織のサイロ化を解消するような共用のプラットフォームを使用すれば、情報更新が常に全員に行き渡り、仮想の世界で製品を完成させることができるので、テストやフォーカスグループの調査のために物理的なプロトタイプをいくつも作成する必要がなくなります。

製品のイノベーションをビジネスモデルのイノベーションに組み込む企業は、製品のイノベーションだけを行う企業より、イノベーションのパフォーマンスが28%上回ります。
出所:『The Role of Business Model Innovation』 Lars Bengtsson and Sam Tavassol, Lund University, Sweden 2018年
リソースの割当と調達

スケジュールや予算を守って目標を達成するには、人材や必要なものを迅速かつ手頃な金額で調達することが欠かせません。デジタルイノベーションのプラットフォームとオンラインマーケットプレイスを結びつけることにより、サプライヤーの生産量や能力が可視化され、ギャップを補う新規サプライヤーを速やかに見つけて適格性を判断できるようになります。このアプローチは有益な知見をもたらし、調達チームが、新しいビジネスモデルの開発プロセスの開始時から深く関わることができます。

「ビジネスモデルのイノベーションには、素早い意思決定を支援し、調達やリソース割当の判断といった単純作業に煩わされないで済むようにする、組織的なアプローチが必要です」
John Rossman氏:『Think Like Amazon: 50½ Ideas To Become A Digital Leader』の著者
エクスペリエンスの創出

新たなエクスペリエンス(価値や体験)をシミュレーションするための科学的に正確なバーチャルの世界を利用すれば、企業は見込み顧客、ユーザー、フォーカスグループを対象に、オンラインまたはクラウドベースのイノベーションプラットフォーム上でテストすることができます。

「このソフトウェアを使うと、より精密に形状を分析できるため、各種の形状や表面の構築可能性について、ものの数時間で素早くフィードバックを提供できます。おかげで様々な関係者との連携方法を刷新することができています」
MG McGrath社 社長 Mike McGrath氏
エクスペリエンスの進化

市場や消費者の好みの進化に合わせて、ビジネスモデルも革新し続ける必要があります。バーチャルツインの仮想の世界は、開発過程と製品テスト全ての完全なデジタルな履歴を提供します。同時に、ユーザーがもたらす情報をリアルタイムで収集する手段と、その情報をもとにイノベーション創出を試みる場も提供します。

「ビジネスモデルのイノベーションの行程は、予測がつくものでも、まっすぐ進める道のりでもありません。現在実行していることに注力するのではなく、将来を見据えた対応をすることでのみ、上級リーダーが業務内容、目標、プロジェクトがどのようなものになるか、大筋を決め、明確にし、議論することが可能になるのです」
John Rossman氏: 『Think Like Amazon: 50½ Ideas To Become A Digital Leader』の著者

3DEXPERIENCEプラットフォームがビジネスモデルのイノベーションをどのように支援するのか、こちらでご確認ください

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