Architecture, engineering & construction

プリファブリケーションに よるの生産性向上

Vicki Speed
18 October 2014

ビル建設業界では、ニューヨークの高層マンションから欧州の低価格ホテルに至る様々な建設プロジェクトでのプリファ ブリケーションとモジュール システムの適用事例が引き続き施主や建築家、ゼネラルコントラクター、ファブリケーター、 建材メーカーの注目を集めています。

世界各地で、プリファブリケーションの 推進者はより複雑なプロジェクトに オフサイト建設技術を取り入れ、 様々な建設課題に対応可能なプリファブリ ケーションのセミカスタマイズ ソリューショ ンを提供しています。

米国ユタ大学カレッジ オブ アーキテク チャー プラス プランニングの准教授兼ディ レクターで、米国建築科学会オフサイト・コン ストラクション・カウンシル(Off-Site Construction Council[OSCC])の会長を務め るRyan Smith博士は、次のように述べていま す。「日本や英国など一部の国々のオーナー やプロジェクト チームは、地価や 件費の問 題から、必然的にオフサイト建設工法への移 行を進めています。これらの国では土地の償 却が禁止されているため、オーナーは建設ス ケジュールを短縮しやすい工法を好むので す。」

世界的に、主に2つの課題を背景としてオフ サイト建設工法への関心が高まっています。 建設工事の効率を高める必要性と、熟練労働 者の不足です。

北米での工法の変化

北米では労働者不足がオフサイト建設を進 める主な原動力となっています。エンジニア リングおよび建設業界を専門とする世界的経 営コンサルタント企業のFMI社は、2014年版 『USマーケットコンストラクション オーバー ビュー』の中で、熟練した職人の不足を受け て、米国の建設業界でモジュール工法やプレ ハブ工法が徐々に重要な役割を果たすよう になると予想しています。

モジュール工法で建設された、コレクションズ コーポレーション オブ アメリカ社のカリフォルニア州オタイー メサの拘置施設。(画像© Sundt Construction, Incorporated)

米国アリゾナ州に拠点を置く建設会社サント 社で、プレコンストラクション サービスを担 当するディレクターのDon Goodrich氏は次 のように述べます。「私たちの経験から言え ば、競争力を高め、最低限のコストと正確な スケジュールで納品しなければならないこと が、プリファブリケーションやモジュール工法 に向かう主な動機です。そして、機械、電気、 配管(MEP)担当のサブコントラクターが効果 的なソリューションの提供を主導しています。 なぜなら彼らは深刻な労働力不足に直面し ているからです。Building Information Modeling(BIM)の使用が拡大していることも、プリファ ブリケーションの議論が注目を浴びることに 一役買っています。」

Goodrich氏によると、プリファブリケーション を使うかどうかの判断は、個々のプロジェクト のn特有の課題に依存します。「私たちはプ リファブリケーションやモジュールの技術を、 一つの仕事から別の仕事にできる限り転用で きるようにしています。」例えばサント社では、 ある民間刑務所の建設プロジェクトのために 開発したモジュール技術のアプローチを、は るかに規模の大きい州立刑務所の建設プロ ジェクトに生かしました。

世界的な マルチトレードの機会

同様に、英国を拠点とする世界的なインフ ラ ライフサイクル サービス企業のバルフォ ア ビーティ社もプリファブリケーションやモ ジュール工法を多用して価値を生み出してい ます。例えば英国のバーミンガムで手掛けた クイーン エリザベス病院建設プロジェクトの いくつかのフェーズは、1年も前倒しで完了し ました。同じように、家具ブランド「イケア」の 親会社であるベルギーのインター イケア グ ループは、米国のホスピタリティー企業のマ リオット インターナショナル社とチームを組 み、欧州で低コストのプリファブリケーション を活用したのホテルを建設しています。

FMI社シニア コンサルタントのEthan Cowles 氏は、すでにプリファブリケーションとモ ジュール工法が広まっているファースト フー ド業界と同じように、医療、宿泊、教育施設の 分野でもこれらの工法が急速に成長すると予 測します。OSCCのSmith氏も同じ意見です。 「ファースト フードのチェーン店、自動車の サービス センター、デイケア施設、データ セ ンター、病院、中層集合住宅など、建設要件を 使い回せるようなビルのオーナーは、設計・建 設やインテグレーテッド デリバリーへの関与 を強める一方、公開入札の要件にはそれほど 依存しなくなっています。」

慣習を見直す

プリファブリケーションやモジュール工法は有 望な方法ですが、このアプローチには、ニュー ヨークのB2タワー プロジェクトに関連する訴 訟で明らかになったように課題もあります。 Cowles氏とSmith氏は、オフサイト建設では 本質的に、価値を最大化するために初期段階 での協調と意思決定が要求されると指摘しま す。またオーナーや建築家、コントラクターに は、何十年も業界標準とされてきた慣習的プ ロセスを見直すことが求められます。

Smith氏は次のように述べます。「オフサイト 建設の技術や手法は謎めいたものではありま せん。技術的な難しさやプロセスの複雑さは ほとんどありません。むしろ問題になるのは、 オフサイト建設を行う環境の社会、政治、規 制、経済面の暗黙の了解にかかわる事柄で す。」

Smith氏は、建設サイクルにプリファブリケー ションやモジュール工法を組み込むことで付 加価値を生み出せるといっても、万能ではな いと述べます。「これらの方法がすべてのプロ ジェクトに適用されているわけではありませ んが、プロジェクトの要素として、労働力が最 小になり、生産性が上がり、スケジュールをよ り適切に順守できることは確実です――要す るに、付加価値が生まれるということです。

QR コードをスキャンして プレハブ工法の詳細を ご覧ください。 : https://www.youtube.com/watch?v=GMwwsvj9xkg

Related resources

Subscribe

Register here to receive a monthly update on our newest content.