ブックレビュー

編集部お薦めの新刊4冊をご紹介


19 July 2018

『PREDICTION MACHINES: THE SIMPLE ECONOMICS OF ARTIFICIAL INTELLIGENCE』

AJAY AGRAWAL、JOSHUA GANS、AVI GOLDFARB共著

就職市場において人間が取って代わられるのは避けられないなど、否定的に捉えられることが多い人工知能(AI)。本書では、その誤解について取り上げます。

経済学を用い、著者はインテリジェンスを生成するよりもAIを活用したほうが予測コストを下げることができると主張します。予測精度を上げることで、AIはまたリーダーの意思決定の改善やコストの削減にも役立つとし、AIが拓く未来において、これからも続く人間の役割の重要性にスポットを当てます。

2018年4月 Harvard Business Review Press社発行(ハードカバー版 256ページ)19.49米ドル

『THE MECHANICAL PATIENT: FINDING A MORE HUMAN MODEL OF HEALTH』

SHOLOM GLOUBERMAN著

本書の著者Sholom Glouberman氏は、現在の医療は生体を化学的あるいは力学的な観点からしか捉えておらず、社会と人間関係が関わる健康の側面にほとんど目を向けていないと主張します。人には、運動と十分な栄養だけでなく、それ以上に愛情あふれる人間関係、親しい友人、自立できる社会環境が必要だと述べています。

Glouberman氏は、もっと人間味のある健康管理を求める人々の間で広がる運動を支持し、患者と家族に向けて、社会と人間関係の側面から見た健康について詳しく紹介します。

2018年6月 Taylor & Francis Group社発行(ハードカバー版 192ページ)55.20米ドル

『LOST IN MATH: HOW BEAUTY LEADS PHYSICS ASTRAY』

SABINE HOSSENFELDER著

理論は自然で美しくなければならないという考えは、大発見につながる物理学的な思考の展開を妨げるかもしれません。著者のSabine Hossenfelder氏が、なぜ美への執着を捨てて、客観性と検証可能な理論への道を開かなければならないのかを、実例を挙げて解説します。

本書は、科学者の理論の立て方には見直しが必要であり、秩序を崩すことさえできれば科学で物理現象を解き明かすことができると提案しています。

2018年6月 Basic Books社発行(ハードカバー版 304ページ)26.51米ドル

『PRIMATE CHANGE: HOW THE WORLD WE MADE IS REMAKING US』

VYBARR CREGAN-REID著

農業革命から200年の間に人間の体はいかにして順応してきたのか。著者のVybarr Cregan-Reid氏がその過程を考察します。

本書は、人体の進化やDNAの変化に加えて、現代的なライフスタイルが健康に及ぼす影響についてまとめた作品です。処方薬の普及から、過去40年間に平均で2サイズも足が大きくなった理由までさまざまな出来事に注目し、Vybarr Cregan-Reid氏は日常化した新しいライフスタイルからのダメージを改善する簡単な方法を提案します。

2018年9月 Cassell社発行(ハードカバー版 320ページ)24.07米ドル

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