Chico’s

バーチャル環境で洋服をコーディネート


7 May 2015

スマホおよびソーシャルアプリは一気に火が付きました。マーケティング担当者は3Dビジュアル技術など最新テクノロジーを駆使してこれらデジタルツールでの露出を得ようとしています。本マーケティングギャラリーでは『既定路線』から脱却したいくつかの事例を通して、何が成し遂げられるか紹介します。

Chico’sの「デジタル・リテール・シアター」は、リサーチ、データ、分析を組み合わせたオムニチャネル戦略で、顧客の習慣を把握し、買い物客がオンラインと実店舗を合わせたChico’sの4つの小売ブランド(Chico’s, White House/Black Market, Soma, Boston Proper)の販売チャネルから、お目当ての洋服を見つけて精算するまでの道筋をたどります。

Singleton氏は次のように語っています。「小売業者は1つのテクノロジーに飛びつき、それを店舗に導入すれば売上げが徐々に伸びて効果が現れると考えています。なぜそれがうまくいくのか、あるいは失敗するのかは誰も考えていませんでした」

Chico’s は、自社の商品がどこで、どのように受け入れられるのか、潜在的な可能性を確かめるために、「典型的な消費者の一日」を分析し、そこから見出せるビジネスチャンスを商品の販売につなげるために、革新的なテクノロジーを生み出しました。たとえば、MongoDB社がChico’sのために特別に開発したインタラクティブなタッチスクリーン・テーブルを、Boston Properブランドを扱う店舗に備え付けました。そのテーブル上で個々の服を組み合わせて最終的なコーディネートを確認するため、店内の買い物客はバーチャル環境で検索して購入できるようにしました。このテーブルは人が集まる場所で使えるように作られており、コーヒーカップが置ける25センチほどの縁やバッグをかけるハンガーフックが設けられ、さらにテーブルを囲んで座れるようスツールも用意されています。Singleton氏によると、Chico’sではタッチスクリーン・テーブルを備え付けた店舗の売上げを1日あたり10%伸ばすことを目標としていましたが、実際には平均15%から20%の伸びが示されました。

もう一つの技術革新は、Chico'sブランドの660の店舗で使われていた顧客名簿です。White House/Black Marketブランドを扱う店舗にも導入し、タブレットを持った店員が買い物客の好みや購入履歴を記録したデータベースを使えるようにし、顧客をリアルタイムでサポートできるようにしました。

「お客様には、我々がこのような高いレベルで顧客情報を活用し、より豊かで素晴らしいエクスペリエンスを提供していることを高く評価して頂いています。これは想定外のことでした」(Singleton氏)

画像説明
女性向けファッション小売業を展開するChico'sのCIO(最高情報責任者)、Eric Singleton氏は、消費者のショッピング、購買、テクノロジーに対する行動が急速に変化してきていることから、自社ブランドのファンと足並みをそろえるためにデジタルロードマップが必要だと実感しています。

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