Consumer packaged goods & retail

潜在意識に働きかける メッセージ : 色が消費者の選択を左右

Lisa Rivard
19 February 2014

製品の色、パッケージ、周囲の環境は、製品が市場でどのような成功を収めるかに大きな影響を及ぼす可能性があります。消費者向けパッケージ製品(CPG)メーカーは、色の選び方を絶えず検討することで、製品について意図したメッセージを伝えることに力を尽くしています。

The Color Institute 社が実施した調査によると、人は他人、環境、製品について、90 秒以内に半ば無意識の判断を下しており、その評価の 62% から 90% は色のみに基づいています。実際のところ、ウェブ分析会社の Kissmetrics 社は、特定の製品を購入する主な理由として色を挙げている買い物客の割合は、85% であると報告しています。

米国ニュージャージー州カールスタッドの Pantone Color Institute でエグゼクティブ ディレクターを務める Leatrice Eiseman 氏は、次のように述べています。「15 年前であれば、パッケージ カラーの重要性を納得させようとすると、かなりの労力を要しました。しかしわれわれは、市場において、Apple 社のカラフルな製品ラインが収めた成功のように、色の心理学が大いに重要であることを示す事例を目の当たりにしてきたというのが、わたしの意見です。」

色との関係

米国ニューヨーク市に拠点を置く流行色予測会社の The Color Association 社でエグゼクティブ・ディレクターを務める Leslie Harrington 氏は、マーケティング担当者にとって、色は人間のあらゆる感情に訴えかける重要なツールだと語ります。「製品のエクスペリエンスは、他の方法より前に、目で見て始まります。つまり、それこそが色の本質です。」

Harrington 氏は、人と色との「関係」には 3 つのレベルがあると指摘します。最初は普遍的な関係のレベルで、特定の色に対しては誰もが同じように反応します。たとえば、赤は普遍的に情熱を連想させるのに対して、青は落ち着きを感じさせます。2 つ目は、社会や地域と関係があるレベルでたとえば、中国の人と南北アメリカの人では、ピンクに対する反応が異なります。そして 3 つ目は、人生経験に基づく個人的な関係で、このレベルは他の 2 つより優先される場合があります。

人間は人生経験を積む重ねる中で、色から連想するイメージを蓄え、それが潜在意識の反応に影響を及ぼすと Harrington 氏は述べています。「消費者は色がおかしいかどうかを直感的に理解するというのが現実です。おかしな印象を与えるものならば、消費者は買おうとしません。」

色のメッセージ

Eiseman 氏は、マーケティング担当者は自分が売ろうとしている製品に、色がどのように「結び付く」かを把握しておかなければならないと述べています。「伝えようとしているメッセージや作り出したい雰囲気を理解する必要があり、また競合品を知ることも重要です。隣に並ぶ競合他社製品と見分けがつかないのでは困るのです。そして最終的には、他のどの色を使ったとしても自社の個性を見て取れるような、特有のブランド イメージを構築することを意識する必要があります。」

消費者は色がおかしいかどうかを 直感的に理解するというのが 現実です。おかしな印象を 与えるものならば、消費者は買おうとしません。」

Leslie Harrington 氏
The Color Association 社 エグゼクティブ・ディレクター

ときには、色を原動力にして予期しないパッケージを生み出すことで製品のメッセージが効果的に伝わります。Kimberly-Clark 社は、若年女性向けの生理用品の新製品ライン「U by Kotex」を発売する際に、この製品カテゴリーで伝統的に使用されているパステルカラーのパッケージから離れ、明るい蛍光色の個包装製品を印象的な黒のパッケージに収めることにしました。

Kimberly-Clark 社でバーチャル リアリティ部門担当のシニア マネージャーを務める Kim Greenwood 氏は、同社がこの製品に求めていた若々しくフレッシュなメッセージを正確に伝え、賞も受けたこのデザインは、売り上げと市場シェアに貢献しています。

色を「自分のものにする」

この色は我が社の色だと主張することが、コーポレート ブランドに関するゲーム チェンジャーになる場合があります。Harrington 氏は、彼女のグループの調査で、原色以外の色については、ある色から何が伝わってくるかよりも、何が伝わってこないかを認識している人の方が多いと判明しました。このことは、企業が特定の色を「自分のものにする」チャンスだと Harrington 氏は指摘しています。

その好例が、宅配大手の United Parcel Service (UPS)社で、同社はブラウンを自社のブランディングの中心に据えています。「どの色が何を表すかを消費者が意識していなければ、企業に、その色が何かを象徴しているかと思わせるチャンスが巡ってきます。それこそ、UPS 社が『What can brown do for you? (ブラウンがあなたにしてくれること)』というキャンペーン全体で行ったことです。同社はブラウンの短パンとハイソックスを履いたセクシーな男性が提供する、親切で上質なサービスに結び付けたのです。今では、同じ業界でブラウンを使える企業は他にありません。」

Eiseman 氏によれば、色の重要性にかんがみて、大半の企業は色の専門家の手を借りて色に関する情報を読み解き、それに応じた行動を取ろうとしています。その過程で、企業はすぐに 2 つのことに気付くと Harrington 氏は述べています。それは、色に関する決定がいかに難しいかという点と、デザイン プロセスで色に関する決定を下すタイミングが遅すぎるという点です。

85%

買い物客は特定の製品を 購入する主な理由として色を挙げている。 Kissmetrics 社

「色に関する検討は二の次になるのが普通です。しかし、ますます色を重視するようにして、戦略的なレベルで議論する必要があります。ブランドの属性と個性が何であるかわかったらすぐに、それに結び付く色を検討するべきです。色について考える段階を、あらかじめ思考プロセスに組み込んでおく必要があります。色は、わたしたちが製造するありとあらゆるものに付いています。色に関する決定を、製品プラットフォームの一部として活用できるような賢明かつ戦略的なものにしたらどうでしょうか。」

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