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2 November 2015

視覚障害者用の触知式タブレット

© Blitab

オーストリアに本拠を置くBLITAB Technology社は、世界初の視覚障害者用触知式タブレットを開発しました。「BLITAB」タブレットでは、スクリーンの代わりに液体をベースにした技術を用い、瞬時にタブレットの表面に小さなバブルを発生させ、タブレットの表面を隆起、浮彫の画像や点字のテキストを形作るパターンを構成します。一度に一行の点字しか表示できない他の機械式デバイスとは違い、「BLITAB」はページ全体を表示できます。同社は2016年9月までに、このタブレットを市場に出荷する予定です。
www.blitab.com

リスニング・エクスペリエンスをカスタマイズ

© Doppler Labs

米国ニューヨークを本拠とするDoppler Labs 社のエンジニアは、ユーザーの耳に聞こえる音の種類や音質をトータルにコントロールできる「Here Active Listening」というイヤーピース型オーディオシステムを開発しました。2つのワイヤレス・イヤーピースがBluetooth経由でスマートフォンのアプリとリンクし、音響効果、特定の楽器の音を強調または減少させるイコライザー、ノイズ・キャンセル機能、という三つの作用からリスニング・エクスペリエンスをパーソナライズ化します。同社での「Here Active」の開発は最終段階を迎えており、2015年12月に初出荷予定です。
www.hereplus.me

太陽エネルギーを地球へ照射

John C. Mankins氏によるSPS-ALPHA構想より

米国カリフォルニア州のArtemis Innovation Management Solutions社により、宇宙空間の太陽光エネルギーを集め、地上で使用するという構想が提案されています。太陽光発電衛星構想「SPS-ALPHA」は、膨大な数の小型素子を地球の軌道上を周回するプラットフォームに取り付け、衛星から太陽エネルギーを取り込み、地球各地に設置された受電部に送電するというものです。国連の予想では、地球人口は2050年までに96億人に達するといわれているなか、同社を率いるJohn C. Mankins氏は、当初はNASA Institute for Advanced Conceptsプログラムの助成のもとで研究されていたこの構想を実現させるための資金を得て、年間を通して24時間体制で手頃な価格の太陽光発電を提供したいと考えています。
bit.ly/nasa-alpha

心をのぞく窓

© Columbia University

医師や医療従事者による、重篤な精神疾患を予防・診断するための客観的な臨床精神鑑定が存在していないことから、米国コロンビア大学メディカル・センター、ニューヨーク州精神医学研究所、IBMトーマス・J・ワトソン研究所の研究員が、精神疾患の効果的な予測システムとして、音声解析をコンピュータで自動化する取り組みを進めています。このシステムでは、精神疾患のリスクを示す意味の一貫性や統語構造などの音声パターンを検知します。概念実証試験で、実験参加者のインタビューをコンピュータで解析した結果、100%の精度で精神疾患の進行を予測しました。自動音声解析により、的を絞った予防治療の道を開き、将来的には発症の遅延、症状悪化の抑制につながるかもしれません。
bit.ly/autospeech

ブレードのない風力発電

© Vortex Bladeless

Vortexの登場により、風力タービンからブレードが消える可能性があります。巨大な円錐型の風力タービンが、「渦度」と呼ばれる空気の渦から生じる流体力学的効果で風力をエネルギーに変換します。これを考案したスペインの企業Vortex Bladeless社が、プロセスも開発しています。騒音が発生して取り扱いも面倒なブレードがなくなれば、機械的な劣化の懸念や維持費を抑えられ、さらに鳥に対しても安全で、まったく音が出ない設計になっていると、同社は説明します。2016年の試験運用に向けて、プロトタイプ第1号を開発中です。
www.vortexbladeless.com

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