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7 January 2019

雨水を浄化する人工砂3Dプリント製バイオニック・アイの試作マイクロファイバーをキャッチスマート・バンデージで傷の状態をモニタリング微小電極で味付けしたクマ型グミ

雨水を浄化する人工砂

© Joe Charbonnet

表面流出には、従来の水処理テクノロジーでは除去しきれない汚染物質が含まれている可能性があります。カリフォ
ルニア大学バークレー校の技術者が、有機汚染物質を破壊する無機化合物をコーティングした砂を使って雨水を綺麗
にする安全で環境に優しい方法を発見しました。普通の砂に酸化マンガンをコーティングすることで、汚水の浄化を
可能にする物質を作り出したのです。この人工砂と他の浄水テクノロジーとを併用すれば、機能を統合してコストを
かけずに身近な水源から飲み水を生成できるようになります。

go.3ds.com/nRt

3Dプリント製バイオニック・アイの試作

© University of Minnesota

ミネソタ大学の技術者が、光を受容する装置を曲面上に3Dプリントすることに成功しました。これは盲目の人の視
力回復を可能にするバイオニック・アイ開発における重要なステップとなります。3Dプリンターによる複合材成形
技術を用いて、まず角膜型のガラス製ドームの上に銀粒子でできたベースインクを付着させ、所定の位置で乾燥させ
ます。次に、その銀粒子の上に半導体ポリマーを使用して光ダイオードをプリントします。このダイオードが25パ
ーセントの効率で光を電気信号に変換します。技術チームの次のステップは、ガラスドームのサイズを小さくして、
解像度を上げるために画素数を増やし、光受容装置の性能を向上させることです。さらに、人の目に移植できる柔ら
かい材料の上にイメージセンサーを3Dプリントする方法の開発を目指しています。
go.3ds.com/kpq

マイクロファイバーをキャッチ

© Rozalia Project/Cora Ball

洗濯をするたびに衣服からでるマイクロファイバーが、排水処理施設を通り、川や海に流れ込んでいます。フリース
のジャケット1枚を洗濯したときに抜け落ちるマイクロファイバーの量は平均81,000本にも及びます。水生動物が飲
み込むと病気や死に至る原因となるこの極小さいプラスチック繊維は、魚を食べることで人間の体内に入り込んだり
、海や海辺の水路に堆積したりする恐れがあります。バーモント州を拠点に非営利で活動するロザリア・プロジェク
トでは、コーラボールを開発し、マイクロファイバーによる海洋汚染問題に取り組んでいます。海水をろ過するサン
ゴをヒントに、100パーセント再生プラスチックから作られ、リサイクルも可能なこのボールは、本体の茎にマイク
ロファイバーを集めることができます。米国の10世帯の内1世帯がコーラボールを使用すると、年間3千万本のプラ
スチックボトルに相当する量をキャッチし、給水施設に流れ込むのを食い止めることができるといいます。このボー
ルは1つ30ドル(約34ユーロ)で、プラスチック汚染問題の解決策を競う数々の大会で表彰されています。

スマート・バンデージで傷の状態をモニタリング

© NanoLab / Sameer Sonkusale, Tufts University

ボストンのタフツ大学のエンジニア・チームが、傷の状態をモ二タリングするスマート・バンデージの試作品を開発
しました。このバンデージは、感染や炎症を追跡する内蔵センサーに反応してカスタマイズされた治療を施すことで
、自然治癒プロセスを補助することができます。厚さ3ミリ(0.12インチ)にも満たないバンデージのマイクロプロ
セッサーが、センサーからのデータを分析し、必要に応じてジェルを加熱して薬を放出します。フレキシブルエレク
トロニクス、体温反応薬物担体、pHおよび体温センサーを活用し、このスマート・バンデージは、数千年もの間ほ
とんど変わっていなかった治療法に大きな変化をもたらしました。

微小電極で味付けしたクマ型グミ

© Nouran Adly/TUM

心臓や脳の機能モニタリングを、甘くて、簡単な方法で行えるようにするために、ミュンヘン工科大学の研究チーム
が、口から摂取できるグミキャンディーやジェルに高解像度の微小電極をプリントすることに初めて成功しました。
一般的な微小電極アレイに使用されるシリコンのような硬い材料は、体内で健康上のリスクを引き起こす可能性があ
ります。その点、柔らかい材料は周りの組織と一体化させることができます。最先端のインクジェットプリンターと
カーボンインクを使用してグミにセンサーをプリントすることで、時間をかけずにコスト効率を高めることができま
す。研究グループは、今後ソフト・エレクトロニクスが発展していくことで、オンサイトでの体内モニタリングやシ
ミュレータとしての利用が実現する可能性があると述べています。

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