Joan roca

伝統の味と感動的エクスペリエンスの融合

Rebecca Gibson
12 June 2014

3人兄弟のたぐいまれな料理の腕に、たっぷりと情熱をプラスし、前衛的な技法とカタルーニャ地方の伝統的な味をブレンドすれば、スペインのジローナにある「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」になります。このレストランは、英国の「レストラン マガジン」が 選 ぶ2013年 の「世 界 の ベストレストラン50」ランキングでナン バ ー ワン に 輝 きました。 COMPASS 編集部は、ヘッド シェフのジョアン・ロカ氏に、兄弟のジョセップ氏(ソムリエ)やジョルディ氏(パティシェ)とともに収めてきた成功についてお話を伺いました。

COMPASS誌: なぜシェフになろうと思ったのですか。

ジョアン ロカ氏(以下JR): :昔は学校が終わると、調理場で母の手伝いをすることを楽しんでいたものです。それは私にとって、ごく自然な流れでした。

何がきっかけで「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」を開いたのですか。

JR: :International School of Hospitality and
Tourismという学校を卒業し、フランス旅行中にオートキュイジーヌ(高級フランス料理)について学び、両親が営む料理店とはまったく違うメニューや食事のエクスペリエンスを提供する新しいレストランの出店を夢見るようになりました。わたし達兄弟は、自分たちが学んできた技法や腕を試し、夢見てきたものすべてを形にする場として、自分たちのレストランをオープンすることにしたのです。

 Image © Planomedio S.L.

料理と縁の深いあなたの家庭環境は、あなたが提供する食事のエクスペリエンスに影響を与えましたか。

JR: 先祖から受け継がれてきた料理の伝統は、味覚の認識から慣れ親しんできた香りまで、私たちの中に深く根付いています。子供の頃の記憶からインスピレーションを得ようとするのは、私たちの哲学に基づいてクリエイティブな仕事をするうえでキーポイントの一つになっています。

カタルーニャ料理と前衛的な料理をどのようにして融合させていますか。

JR: 私たちが特に重視しているのは、使用する食材を尊重し、本物の伝統の味を守ることです。食感のバリエーションを広げ、さまざまな調理法を試し、料理の斬新なプレゼンテーションを追求することで新しい事柄に挑むのも好きですが、どんなときも伝統の味に忠実であり続けるよう心がけています。

「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」は、他の最高級レストランとはどのように違っていますか。

JR: 私たちは、さまざまな風味によって記憶を呼び覚まし、感情の移ろいを映すかのようなディナーを楽しんでいただいたり、心地良いひとときを演出したりしたいと思っています。味覚を通じて、お客様に自分自身を再発見していただけることでしょう。

世界一を目指す意欲的なシェフたちに、何かアドバイスをいただけますか。

JR: それには大変な努力、重労働、情熱が求められますが、大事なのは楽しく料理することです。楽しくなければ、犠牲を払う価値はありません。

あなたがもし料理の道に進んでいなければ、今ごろ何をしていたと思いますか。

JR: :若い頃は建築に魅せられていましたが、やっぱり料理の魅力には勝てなかったでしょう。◆

Tスキャンすると、ジョアン・ロカ氏とジョルディ・ロカ氏が2つの伝統料理を作る様子をご覧いただけます。http://www.youtube.com/watch?v=PvDc5VMb05A

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