高性能の自転車とスポーツ用品のメーカーである スイスのScott Sports 社は、ここ数年間、製品のデザインと製造に 3D イメージングを利用していましたが、経営幹部は、より多くのことができるのでは、と考えました。
次に注力すべき分野は必然的にマーケティングでは、となりました。同社には製 品の詳細な画像や、シューズの内部層といったユニークな視点を提供できるもの が既にあったため、それらをカタログ、ウェブサイト、広告・販促物などに組み込め るのではないか、と考えたのです。
3D デジタル デザイン マネージャーの Ryan Bloodworth 氏 は、効率化を進め、 費用対効果をあげるという目標を設定しましたが、同時にオンタイムで創造性を 高めることも目指しました。例えば、写真のようにリアルなロードバイク用シュー ズの 3D レンダリング画像を、最初のシューズ製品が製造ラインから出てくるよ りずっと前に、広告販促物に掲載できます。シューズのバージョンごとに数多くの ショットが必要な従来の写真とは異なり、3D デジタル画像は、わずか数回のマウ スクリックで、さまざまなマーケティング目的に合わせて種々の色や素材を用い てコンピュータ上でカスタマイズでき、画像を回転したり傾けたりすることで、デ ザイナーの要求に応じていかなる角度の画像も作成できます。
Scott Sports 社は最近、さらに新しいことに取り組んでおり、例えば、消費者が多 様なスキーヘルメットやゴーグルの中から選んだ組み合わせが、どのように見え るかを画面に表示して消費者に見せる、といったアイデアを試しています。「この業界は、顧客による製品のカスタマイズや視覚化に重点を置いてテクノロ ジーを利用している自動車業界などの例とは異なり、いまだに旧態依然としてい ます。我々の目標は、情報を提供してお客様がお店を訪れるように促し、当社の製 品を買ってもらうことです。テクノロジーを活用すると、その可能性を示すことが できます」と Bloodworth 氏は述べています。◆