科学という言葉は様々なイメージを喚起しま す。
― 分厚い教科書、顕微鏡、実験用の白衣、 望遠鏡をのぞきこむ天文学者、熱帯雨林の博 物学者、黒板に殴り きされたアインシュタ インの方程式、スペースシャトルの打ち上げ、 ビーカーの中に泡立つ液体・・・。
これらのイメージは、科学の一面を映し出し てはいますが、全貌ではありません。科学は あまりにも多くの側面を持っています。
ひとつ確実なのは、科学は現在進行形である ということ。
科学は常に前進し、世界に対する我々の見方 を広げ続けてくれるいっぽう、未来の探求へ とつながる新しい質問を導き出します。
しかし、今日の科学はこれまでにない大きな 課題を抱えています。
予算がますます縮小され、スケジュールがさ らに厳しくなる中、科学者は山のようなデー タの意味を理解し、難解な問いにも解答を出 さなくてはならないのです。
対処すべき課題が大きく、それに割けるリソー スが限られている場合、非効率性は許されま せん。それにもかかわらず、IDCによると全業 界を通じて研究開発における実験の40パーセ ントが、実は繰り返す必要のないものであると 試算されています。製薬のように、効率性とい う課題が顕著に浮き出てくる業界もあります。 例えば、フォーブス誌は、新薬を市場に投入す るまでにかかる期間は12年、開発コストは40 億から120億米ドルと報告しています。
「科学が抱える課題と、 技術によって 改善可能なことの間は 狭まりつつあり、 非効率性は 締め出されつつあります。」
モニカ・メンギニ
最大の要因は失敗です。全臨床試験に提出 された5,000の新薬候補のうち、Medicine.net の推定では5つが臨床試験を通過し、そのう ち承認薬となるのはたったのひとつです。
幸いにも、科学が抱える課題と、技術によっ て改善可能なことの間に横たわるギャップは 狭まりつつあり、結果としてこうした非効率性 は締め出されつつあります。たとえば、コン ピューターを使った高度なモデリングとシ ミュレーションによって、プレディクティブ・サ イエンス(予測科学)を実現し、いくつもある 選択肢の中からもっとも可能性が高い案件 に、リソースを集中投下できるようになりま す。クラウド・コンピューティングの活用によっ て、情報を瞬時に共有し、緊急性の高い課題 に科学者たちが協調して取り組めるようになります。実験記録のノートを電子化すること で、全実験データを収集・管理し、新しい課題 が出た際にそれらを再利用できるようになり ます。スーパーコンピューターで 力なアル ゴリズムを処理することで、情報という大海か ら、わずか数秒で驚くべき発見を導き出すこ ともできます。
ダッソー・システムズはこうしたテクノロジー のリーダー企業であるアクセルリス社を最近 買収し、BIOVIAブランドを立ち上げました。 BIOVIAブランドは、バイオサイエンス、化学、 マテリアルでのモデリングやシミュレーション を行う クセルリスのアプリケーションを、 3DEXPERIENCE® プラットフォームと連携させ ることで、科学者の発見や理解促進の一助と なります。偉大な科学をより速く、より適正な 価格で入手できるようにすることで、あふれ るほどの課題をかかえ、解を求める世界の科 学者たちに大きく貢献できるものと信じてい ます。