2014年に中国のエレクトロニクス・メーカー、Huawe(i ファーウェイ)社は認知度不 足という問題に直面していました。アップル社やサムスン社と同様に上位機種を取り 揃え、スマートフォン・メーカーとしては世界3位の規模を誇るファーウェイ社ですが、 注目度と評判は競合相手に及びませんでした。この状況を変えるため、データを画像 化してマーケティングに活用することにしました。
ファーウェイ社は3Dのコンセプト・イメージを用いて、質の高い広告・販促物をシ リーズで制作しました。スマートフォン、テレビ、コンピューター、タブレット、デジタ ル時計など、毎回異なるファーウェイ製品を特集します。第一弾はスマートフォン ファーウェイ Honor X1で、この機種は中国ですぐにファーウェイブランド内でのベ ストセラーになりました。ファーウェイ社は、アフリカや中東、ラテン・アメリカでも、 この機種の市場シェアが急速に拡大しているとしています。このシリーズは現在も 継続しており、2か月ごとに新しい製品を出しています。
エレクトロニクス業界の短いライフサイクルの中でデジタル・イメージを使うこと により、製品が製造される前でも広告・販促物を作成できるようになり、制作上のメ リ ッ ト が 得 ら れ ま し た 。ま た 、一 定 の ス タ イ ル を 持 っ た 画 像 が 高 級 感 を 与 え 、製 品 発 表前後の重要な数か月間で愛着が生まれるのだとファーウェイ社の幹部は語って います。
ファーウェイ製品の購入に対する消費者の関心度と、中国市場におけるファーウェ イ社の認知度を調査した結果、2014年は前年比で約40%の上昇がみられ、海外出 荷は前年比で90%増となりました。ファーウェイ社の発表はこれを、大手携帯電話ベ ンダーの中でも特に速い成長だとしており、世界市場でのシェアは前年の4.3%か ら6.9%に増加しました。ファーウェイ社は2014年に8,000万台のスマートフォンを 出荷しており、2015年にはさらなる成長を目指しています。◆